aikokimura’s diary

私は鍼師で視覚障害を持っております

たび「フィンランドへ向かう②デンマーク」1994

デンマークでの研修は、気管支喘息の鍼治療をしていらっしゃる医師の招へいをもらいましたが「あなたの知っているとおり、喘息の鍼はあまり効果がありませんので、わざわざ来て下さる事は申し訳ない」というお手紙の内容でした。

飛行機のチケットがコペンハーゲン行きでしたので、コペンハーゲンにある、脳性小児麻痺など重症の子供達の幼稚園にも連絡を取り、見学させて頂く事ができました。

デンマークでは、寝たきりの子供でも、将来の可能性を信じて、一人の子供に10人の先生やセラピストがついて毎日リハビリをしています。

「どこまで話せるようになるか、歩けるようになるか、文字が読めるようになるかは分からないが、やれるところまでやる。可能性はどんな状態の子供でもある」

と言われて、実際に寝たきりの子供を、マットの上に座らせようと努力されているセラピストに会いました。その動作を行うのに4人がかりでした。出来た時には褒めて声をかけてあげます。

最近の日本では、スポーツの解説を聞いていると「だめ」とい言う方が多くおられ、相撲解説の稀勢の里二所ノ関親方)は必ず褒めていらっしゃる事に気付きました。日本の方では珍しく、大事な事だと感じています。


1990年代のデンマーク障碍者の年金は1人あたり、月に日本円で30万円程、配布されていました。そのお金でタクシー代にしたり、コンサートに行ったり、ボランティアさんへのお礼にしたりと自由に使えます。

日本の制度とはまったく違います。(令和4年で障害等級1級で月に8万円程)

日本のボランティアさんは、1時間1000円の報酬では少ないと文句を言っています。本来ボランティアとは無償でするものですのに、本当に日本の福祉のレベルの低さを感じずにはいられません。

でも、このように素晴らしい環境のデンマーク障碍者は、残念ながら認められ過ぎて、金銭的に豊かであっても自殺者が沢山いるのだと聞き、私はびっくりしました。


私は、障碍者も、自分で出来る事はやれるだけやって自立するように、「出来ない事」を手伝って頂く方針が望ましいと考えています。