aikokimura’s diary

私は鍼師で視覚障害を持っております

たび 「ニューヨーク④お世話になった方々 著書『日本のいやしの針』の翻訳」2004

私は2004年に、今もいらしている患者様からの強い勧めで『いやしの鍼』という本を日経BPから出版しました。その本をニューヨークの方々にも読んで頂きたく10冊ほど持参しました。

一人のアメリカ人の患者様が、読んで下さってすぐに「この本をぜひ私に翻訳させて下さい」と言われました。本当にびっくりしました。まさかの話です。
その場にいらした日本人の方々、NYで聖書の日本語訳をなさるほど英語が堪能で、私の日々のお世話もして下さっている方も「お手伝いしますから」と勧めて下さいました。

そこで『いやしの鍼』からページ数をかなり減らして文章も直し、日本からアメリカ人のK様に添付でお送りして、翻訳をして頂きました。どうしても判らない事は、私がニューヨークに伺った時に何度かお会いして、お話する中で判断して頂き、新たに『JAPANESE ACUPUNCTURE:THE HEALING ART』というタイトルの英訳本が出来あがりました。


その後『日本のいやしの鍼』の英訳本が出版された頃に、私は初めて、アメリカ人のK様が日本で3年間、日本語を習っておられ、アメリカでは日本語検定の委員をされておられた事、また他の仕事でもお忙しい方である事を知り、本当になんとお礼申し上げて良いか、感謝して良いものかと困ってしまいました。

「本当にどうして良いか分かりませんが、お礼をさし上げたいと思いますのでおっしゃって下さい」と申し出ましたら「いらない」と断られてしまいましたので、私はさらに困ってしまいました。そこで日本人のK様と相談の上、1単語4円ではと提案しますと、どうにか受けとめて下さいましたので、ほっとしました。

アメリカ人のK様は「あなたがボランティアで鍼をしているから」とGive and take.でした。それにしても、完全なボランティア精神の方々です。


こんな素晴らしい人々に囲まれたニューヨークの帰りの飛行場のラウンジで、毎回お会いした黒人のおばさまは、いつも、「何しましょう」と必ず声をかけて下さいました。
飲み物、お手洗いはもちろんの事、お買い物も手伝って下さいました。

ある年の春、ラウンジに入って、私は機内はきっと寒い事に気付きましたので、おばさまに「すみませんが、上に羽織る物を買いたいです」と申しましたら「寸法も判らないし日本語の通じる人をお願いしましょう」と言って下さり、本当に若い日本人の女性と一緒に、白いNYヤンキーのジャケットを買う事ができました。それは私の体にぴったりでした。後にNYヤンキーのジャケットは若すぎるので、私の姪にあげる事にしました。

黒人のおばさまは、ご自分から私に黒人と言いました。そして、2015年頃「今日でお別れです、退職します、また良い方を紹介しましょう」と言われ、去って行かれました。

長年、ニューヨークに通う間に、私が出会った方はまだまだおられます。



『JAPANESE ACUPUNCTURE:THE HEALING ART』2010年 出版 たにぐち書店
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