aikokimura’s diary

私は鍼師で視覚障害を持っております

たび「ベトナムセミナー②準備」1998

ベトナムセミナーの実施にあたり、その年の5月頃から7月末までに3回位、BAJと桜雲会の参加メンバー10名程が準備のために集まりました。
ホーチミン、ダナンでの講義と実技は何を行うか、何人のグループに分けて行うか、通訳は1人の講師に1名で良いかなど大雑把な事を決めます。

私達講師は、カリキュラムと資料を書きました。
通常、原稿は6月中にはできていないと日本語から英語、英語からベトナム語に訳すための時間がかかります。
およそ4月から5月に日本語から英語、6月に英語からベトナム語へ、また現地の点字に訳されます。
各国での点字の書き方も違いますので、大変な作業です。

私の場合は1人のボランティアさんが、私が点字で書いたものを普通文字に書き換えて下さいました。
このような方を点訳者と言います。今も盲人の大学受験には欠かせない方々です。
点字から普通文字にできる訳者の方は、点字を良く読める人だという事になります。

今は普通文字から点字にする事は、パソコンでかなりきちんとできるようになりました。
ですから、大学受験も資料作りも楽になりました。
当時はまだまだ大変で、まして図に書きあげるのは、桜雲会のような出版社でなければ作れませんでした。
私の勤めていた筑波大学付属盲学校では、その頃には専用の立体コピー機がありましたので、簡単に白黒の立体図にしてもらって触る事ができました。

セミナー講師には本校の先生が多く、資料作りには助かった訳です。
ベトナムに行く際に、この点字、図、などの膨大な資料を、何箱も飛行機で運びました。

7月末には、カリキュラムに基づいて数人の講師が集まり、タイムスケジュールを決めました。
実技にかかる時間は、実際にやり合って見ないと判りません。


いつも隅田川の花火の頃に1日集まり、実技の予習をして、その後お寿司を食べに行く事を若い先生方は喜んでくれました。